
私は最初の鑑定で「いちばん怖いのはどのマハーダシャですか」と何度も聞かれた。
正直に言えば「人によって違う」が答えになる。
ただし共通の初期サインはある。
それはヴィムショッタリという月起点の時間管理で読み解ける。
要点を先に並べる。
六室と八室と十二室を強く支配する惑星の時期は雑音が増えやすい。
六室は対人摩擦や病、八室は古い因縁の清算、十二室は喪失や消耗を象徴すると覚えておくと整理しやすい。
土星期は「遅延と試練」で有名だが、粘りの練習場にもなる。
ラーフ期は過剰な期待や不安をあおりやすく、情報の霧に迷い込みやすい。
ケートゥ期は逆に切断と内省が進み、地位や関係の執着を外側から剥がしてくる。
怖いのは三つの流れが重なるときだ。
たとえば土星期に土星の厄介なトランジットが重なる。
あるいはラーフ期にケートゥの細切れの副時期が入る。
私はまさにラーフ主期にケートゥ副期を体験した。
順調な企画がことごとく逸れていき、用意した計画が別路線に切り替わる。
後から振り返ると、必要ない執着が抜け落ちただけかもしれないが、その最中は胃のあたりがずっと重かった。
占い師としても当事者としても学んだのは「単体の惑星で決めつけない」ことだ。
ダブルチェックのコツを三つ共有する。
一つ目は惑星同士の位置関係だ。
主期と副期の主語が相性悪く配置されているときは、同じテーマで二度三度と試される。
二つ目はマラカの作用だ。
二室と七室に関わる惑星は「生活や関係の痛点」を突いてくることがあるが、破壊ではなく再編のサインととらえると実務は進む。
三つ目は月から見て六八十二室に当たる惑星。
心の体感が荒れやすいので、睡眠と食事の整備という現実的な盾を最優先にする。
参加者の声も紹介したい。
土星期が始まったばかりの読者は「ことごとく遅いけど後戻りはない」と言った。
ラーフ期の相談者は「原因の見えない不安が増える」と語った。
ケートゥ期の人は「切ないが身軽」と表現した。
私の失敗談も残す。
昔、ラーフ期に拡大路線を押し切り資金繰りを詰まらせた。
今なら「副期の主語とトランジット」を見てスモールテストから始める。
占星術は未来を固定しない。
地図として使い、ハンドルは自分が握る。
さて、あなたの今の主期と副期は何だろう。
怖さの正体を言語化できたとき、すでに半分は乗り越えているのかもしれない。
次回は具体的なセルフリメディを掘り下げよう。
ちいさな一歩から始めるのが、いちばん遠くへ行く近道だからだ。

私はヴェーダ占星術でマハーダシャを読むとき、まず心の安全帯を作るところから始める。
安全帯とは、睡眠、食事、相談相手という三本柱のことだ。
理由は単純で、ラーフ期やケートゥ期は情報と感情が暴走しやすいからだ。
ラーフは拡大の影響で期待が膨らみ、ケートゥは切断の影響で執着が外れる。
難しい用語に見えるが、拡大は「広げる力」、切断は「手放す力」と理解すれば十分だ。
土星期は遅延と責任がテーマになりがちだ。
ここで私の失敗談を告白する。
数年前、ラーフ主期に一気に事業を広げ、広告も人員も増やした。
勢いはあったが、内側の不安を見ないまま進んだ結果、キャッシュフローが乱れた。
占星術のせいにしたくなったが、実際は自分の選択だと気づいた。
そこで副期の惑星を丁寧に読み、スモールテストに切り替えた。
小さく試し、数字で検証し、必要なら撤退する。
この現実的な手順が、霊的な学びをちゃんと地面に降ろしてくれた。
専門用語で言う「マラカ」は二室と七室に関わる現実の痛点だ。
痛点とは収支や関係の節目で、怖がるより整えるほうが早い。
私は家計を見直し、契約の更新月を一覧化した。
それだけで不安の半分が消えた。
さらに月から見た六室八室十二室に関わる惑星が強い時は、体調と人間関係を最優先にする。
休む、断る、頼る。
この三語をポケットに入れておく。
個人的には、マハーダシャは脅しの道具ではなく、呼吸のリズム表のようなものだと思っている。
今のあなたの主期と副期は、どんな呼吸を教えてくれているだろう。
リメディは派手さより継続だ。
朝の短い祈りでも良い。
惑星を恐れず、生活を整える。
副期の象意を一つだけ行動に変える。
たとえば金星期なら美と調和を意識する。
机を拭き、香りを変え、丁寧に挨拶する。
火星期なら勇気を小さく使う。
土星期なら規則を磨く。
それだけで星の風向きが変わる気がする。
だからこそ私は今日も記録をつける。
数週間で自分のサイクルが浮かび上がる。
占いは鏡で、舵はあなたの手にある。
今すぐ整えたい一箇所はどこだろうね。
それを動かす最小の行為は何だろう。
明日のあなたが微笑む準備は、今ここで始まっている。

マハーダシャの学びは、人生を静かに見直す鏡のようなものだと思う。特にラーフ期や土星期のような重い時間帯は、魂のリセット期間とも言える。私はその渦中で、自分の中にある「制御したい欲」と「委ねる勇気」が何度もせめぎ合うのを感じた。計画を立てても予想外の方向へ進み、信じていた人が離れていく。そんなとき「これは罰ではなく整理だ」と思うようにした。すると、少しずつ出来事の意味が見えてきた。スピリチュアルの世界では“カルマの清算”と呼ばれるが、心理学的には“未完了の感情の統合”だと言えるかもしれない。心の奥にしまった怒りや悲しみが、別の形で再浮上する。それが「なぜ今これが起きたのか」という違和感として現れる。
私自身、ケートゥ期にそれを体験した。長く続けていた仕事が急に終わり、空白の時間が生まれた。最初は不安でたまらなかったが、思い切って旅に出て、静かな寺院で数日を過ごした。そのとき初めて、心のノイズが消える感覚を覚えた。人は失うことで、見えない支えを思い出すのかもしれない。ケートゥは切断の星だが、同時に真実への扉を開く鍵でもある。何かを手放すたび、魂は軽くなる。それは「もう必要のない役割を卒業した」という合図なのだと思う。
ラーフとケートゥは表裏一体だ。ラーフが拡大をもたらし、ケートゥが縮小をもたらす。まるで呼吸のように、吸って吐いてを繰り返しながら、人生はバランスを取り戻す。占星術では恐れられがちなこの二つの星だが、実際には成長の両輪だ。もし今、あなたが思うように進まない時期を過ごしているなら、それは“縮むための吸収期”なのかもしれない。焦らなくていい。目に見えないところで、次の種が静かに芽吹いている。
そして、土星期。長く、重く、静かに続くこの時間は、まるで冬の森のようだ。外から見ると動きがないように見えるが、地中では根が深く伸びている。私もこの時期、成果が出ずに苦しんだが、後から振り返ると「耐える力」を育てるための季節だったと分かった。人は苦しみの中でこそ、自分の軸を再確認する。だから、もし今が土星の時間なら、焦らずに小さなルーティンを大切にしてほしい。朝日を浴びること、手帳に感謝を書くこと、食事を整えること。そうした地味な習慣が、星の試練を和らげる。
結局のところ、マハーダシャの“悪い時期”とは、自分が自分を見失っている時期でもある。惑星はただのきっかけであり、光を当てるタイミングを教えてくれているだけ。だから、怖がらなくていい。私たちは皆、星の流れの中で生きているが、その中心にはいつも「自由な選択」がある。今日のあなたは、どんな選択をするだろうか。もしかしたら、その一歩が次の幸運期の扉を開く鍵になるのかもしれない。


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