2018年8月の下旬、私は再び南インドのケララを訪れることになりました。約2年ぶりの再訪です。前回の訪問は、アーユルヴェーダのホスピタルやクリニックの視察ツアーという、いわば仕事を兼ねた旅でした。しかし、今回は少し趣向が違います。夏季休暇を兼ねたプライベート旅行として、ゆったりとした時間を過ごすことを目的に、再び南インドの地を踏むことにしたのです。
ケララといえば、美しい自然に囲まれたバックウォーター、ココナッツの木々が風にそよぐ光景、そして何よりもアーユルヴェーダで知られる地。前回の訪問時には、観光よりも視察を優先していたため、ケララの豊かな文化や歴史的な名所を十分に堪能することができませんでした。そこで今回は、以前から訪れたいと思っていたインドの史跡や寺院巡り、アーユルヴェーダリゾートでの滞在などを旅程に組み込むことにしました。
そして、この旅の中でもう一つ特別な目的がありました。それが「アガスティアの葉」との出会いです。インドを訪れるたびに耳にするこの神秘的な存在に、私は以前から強く惹かれていました。「アガスティアの葉」は、数千年前に古代インドの偉大な聖者アガスティアによって書かれたとされる予言書で、個人の前世、現世、来世について語るものとされています。この葉は、予言を必要とする人のためだけに存在し、持ち主の「カルマ」や人生の転機を映し出すと言われています。
実は、2年前のケララ視察ツアーの際にも、「アガスティアの葉」を体験したいという思いがありました。しかしその時は日程的に余裕がなく、結局断念せざるを得ませんでした。それ以来、「次こそは必ず」と心に決めていました。そして今回、十分な休暇を確保できたことで、ようやくその願いを叶えるチャンスが訪れたのです。
アガスティアの葉に関する情報を集める中で、特に興味深かったのは、「葉」の予言が驚くほど具体的であるという点です。持ち主の家族構成や名前、さらには将来の出来事までが記されていると言われています。さらに、「アガスティアの葉」を読み解く役割を担う「ナディ・リーダー」と呼ばれる専門家の存在にも関心を抱きました。これらのリーダーは、質問を通じて「葉」を検索し、その内容を解読していくとされています。
今回の旅では、ケララから国内線で約1時間半の距離にあるチェンナイ近郊の「アガスティアの館」を訪れる予定を立てました。この館は「アガスティアの葉」の保管とリーディングを行う場所として知られています。ただし、ケララからチェンナイまでの移動には時間と手間がかかります。チェンナイ到着後、さらに車で約2時間の道のりを進まなければなりません。移動と滞在を含めると、少なくとも2日間は必要です。そのため、この計画を実行するにはまとまった時間が必要であり、今回のような旅のタイミングを逃せば次はいつになるかわからないという状況でした。
旅を計画する中で、アガスティアの葉に対する私の期待は膨らむばかりでした。しかし同時に、「本当に自分の葉が見つかるのか」という不安もありました。なぜなら、「葉」を探し出す過程には時間がかかると言われており、場合によっては半日以上も質問と回答を繰り返すことになるからです。さらに、たとえ葉が見つかったとしても、その内容が自分にとって有益であるとは限りません。こうした懸念はありましたが、それでも私は「何事も体験してみなければわからない」という思いで、この計画を決行することにしました。
今回の旅には、もう一つ特別な思いがありました。それは「過去」と「未来」をつなぐ旅としての意味です。アガスティアの葉が語る前世や来世の話は、単なるエンターテイメントではありません。それは、自分という存在をより深く理解するための手がかりであり、未来への指針となり得るものです。過去の行動が現在にどのように影響を与え、さらに未来をどう形作るのか。その壮大な因果の流れを紐解くことができるかもしれないという期待感が、私の心を強く揺さぶりました。
こうして、南インドへの旅が始まりました。ケララ到着後、友人の香苗さんとの再会や現地での観光を楽しみながらも、私の心は常にチェンナイへと向かっていました。アガスティアの葉との出会いが、この旅をどのように変えるのか。そして、その予言が私の人生にどのような影響を与えるのか。期待と不安が入り混じる中、私はこの旅を通じて新たな自分と出会うことを願っていました。
南インドの豊かな自然と文化、そしてアガスティアの葉がもたらす神秘の物語。その全てが、この旅を特別なものにしていく予感がしていました。次回の記事では、具体的な旅のエピソードやアガスティアの葉の体験談について詳しくお話ししたいと思います。まずは、アガスティアの葉への第一歩を踏み出した瞬間を、こうして記録に残しておきます。
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